4名のノーベル賞受賞に思う
2008年10月14日(火)
もうニュースでさんざん報道されたが、南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏、下村脩氏と一度に4名ものノーベル賞受賞者がでた。
いずれも基礎研究に携わってきた人達だ。論文の発表時期を見ると、受賞が遅すぎた感があるが、すばらしい事だ。
南部氏は1960年、小林氏と益川氏は1973年、下村氏は1961年に受賞につながる論文を発表している。
特に南部氏と下村氏は戦前の生まれで、二人とも現在アメリカに在住(南部氏はアメリカ国籍を取得)している。もう日本には戻ってこないだろうし、アメリカでうるさいマスコミに煩わされる事無く研究を続けてもらいたい。
TVなどで受賞者の近況を見ることができたが、本当に研究者然としていて、論文を発表した当時はそれこそ研究一筋であった事が伺える。
もちろん彼らはノーベル賞を目的として研究してきた訳ではないし、成果の上がった基礎研究が全てノーベル賞の対象となる訳でもない。要するに研究成果が後世に重大な影響を与えるような画期的な研究であったからだ。
この事は基礎研究の重要さを知らされると同時に、今現在は画期的とはいえないが十分役に立つ研究成果や研究対象が山のように存在する事も意味している。そしてその中のごくごく一部が認められノーベル賞を受賞したりするのだ。
どうやら我が国は1995年に施行された科学技術基本法に基づいた科学技術基本計画の概要で国際的科学賞の受賞者を欧州主要国並に輩出(50年間にノーベル賞受賞者30人程度)
する事を目標として研究に補助を出すようだが、果たしてどうなるのだろうか。
自分自身で疑問を解決する能力を身につける事が大切
受賞者の一人益川さんは学生との対話で面白いと思った事を真っ正面から掘り下げてほしい
と言っているし、下村さんは研究についてアマチュア性と固定観念にとらわれない事が大切
としながらも基礎知識は十分持っていなければいけない。その上で自分の考えを持ち、研究を進めるべきだ
と語っている。
要するに一つの事を徹底的に掘り下げるあきらめの無い心と、真実を見つけるためのしっかりした基礎知識が必要と述べている。
これらの事は至極当たり前であるが、果たしてこのような心構えは研究の補助金などを充実する事で実現出来るのか疑問だ。
それより下村さんが私の知識のほとんどは独学で得た。長崎の大学が原爆で完全に破壊されてしまったからだ。高校も満足に通っておらず、工場で働いていた
、若い人は困難に突き当たると安易な方向に向かいがちだが、自分が興味を持った課題を見つけたら、それをやり抜くよう努力してほしい
と言っている事に重要なヒントがあるように思える。
彼らのような断固とした追求心は研究を始めてから育つのではなく、それ以前から持ち合わせているように思える。初等教育、中等教育の時期にそのような考え方をする訓練が必要ではないだろうか。
そう思うと科学技術の基本ともいえる中学の理科において生徒一人当たりの設備備品費用は全国平均で年間453円。教員の76%が教材費を自費で負担した経験がある(今年の調査結果)
という実態を一日も早く解消する方が大事ではないだろうか。
(太字引用:北海道新聞より)






