ママさん兵士のPTSD問題
2008年9月17日(水)
14日、15日と再放送されたNHKのドキュメンタリー「兵士はどう戦わされてきたか」でイラク帰還兵のPTSDの話題を扱っていた。
放送によるとPTSD(心的外傷後ストレス障害)という病名は1980年に定義されたとあるが、それ以前はシェルショックなどと言われ、第一次世界大戦の頃から症状としては表れていた。
この番組以前にもNHKではアフガン、イラク両戦争におけるPTSD患者の話題を何度か取り上げているが、ちょっと古いが2005年に放送された番組では帰還兵の16%がPTSDに罹っていると伝えていた。
今回の番組を見た後ではその割合は遥かに多くなっているのは容易に想像できる。(ただし調査により相当の幅があるようである、10~30%)
特に悲惨だと思えたのは州兵として登録したママさん兵士達だ。
初めて知ったのだが、州兵というのはかなりお金になるということだ。週末の訓練と災害時の出動で一月30万円ほど支給されるようだ。これは超格差社会のアメリカでは相当の魅力だろう。
この州兵として登録したママさん兵士が国の命令でイラクへ派遣されているのだ。命令なので拒むと罰せられる。悲惨なのは彼女達が海兵隊などへの志願兵ではないことだ。
若い海兵隊の志願兵についてはいろいろと映画(最近では『アメリカばんざい』など)でどのような訓練を受け、多くの二十歳前の若者が人間性を奪われ殺人マシンに作り変えられているかは知ることが出来るが、この州兵として登録されたママさん兵士の現状については初めて番組で知った。そしてこのママさん兵士の割合は女性兵士の3名に一人で、イラクには一万人の女性兵士が派遣されたとあるので約3,000名ということになる。そのほとんどは陸軍であるので、直接戦闘に巻き込まれる可能性が非常に大きい。
番組では陸軍では女性兵士が直接戦闘に参加することは認めていないと報じていたが、イラクの現状を考えるとこれは回避不可能だろう。
自国のためにと州兵に応募した結果がイラクに派兵され、想定していない極限状態にさらされ、挙句の果てに精神を病んでしまうこの現状をアメリカは国としてどう捉えているのだろう、まったく詐欺としか言いようが無いではないか。
これはアメリカという国が起こした組織犯罪だ
しかしイラクに派兵される兵士はその理由として皆一様に「イラクに平和をもたらすため」と口をそろえて言う。彼らはアメリカは独裁者を排除したが、それに替わる武装勢力からイラク人を守り、イラクに平和をもたらすのはアメリカの使命だと心底思っているようである。
このある種の無邪気さともとれる脳天気な反応には本当におめでたいとしか言いようが無いのだが、アメリカという国は自国民のこの感情を利用し、とことんいたぶり続けているとしか思えない。
ご丁寧なことにPTSDに罹った兵士を治療し、軍務に戻るための治療施設を充実させているとも番組では伝えている。やっとの思いで帰還した兵士をさらに追い詰め、逃さない仕組みが出来上がっているのである。
このPTSDの原因を作った9.11を発端とする一連の行動は、アメリカという国が自国民を徹底的にいたぶる組織犯罪といってもよいと思う。
もうこれ以上不幸なママさん兵士を生み出さないためにも直ちにイラクからの撤退をすべきである。
次期政権にはそれを期待したい。







