日本航空123便と共に消えたオーディオメーカ
2009年8月12日(水)

珍しい砺磁型スピーカーを作っていたマクソニック
1985年の今日、日本航空123便が御巣鷹山に墜落した。
亡くなった方の中には超有名歌手もいたが、私の中では日本音響電気の小林社長が亡くなった事の思い出が大きい。
日本音響電気はマクソニックブランドのスピーカーを製造していたが、そこの小林社長は技術面でも同社を牽引していたらしく、社長が亡くなった後、メーカーそのものが解散してしまった。
私にとって、当時のマクソニックブランドのスピーカーは、JBLやALTECでは到底かなわない魅力があった。
それは磁気回路がアルニコやフェライトなどの磁石ではなく、純鉄を使った砺磁型の電磁石で構成されていたということだ。
磁石と電磁石の決定的な違いは、磁力にあるのではなく、磁気回路の磁気抵抗にあった。
透磁率の大きい純鉄を使った電磁石で磁気回路を構成すると、磁気抵抗の少ない磁気回路が出来る。
スピーカーの磁気回路のギャップ中を、ボイスコイルが動く事により発生する起電力を吸収するためには、アンプの出力インピーダンスで吸収するより、それにより発生する磁束を磁気回路で吸収した方が良いのではないかと考えたのだ。
そのためには磁気抵抗の低い電磁石が良いはずだ。オーディオに凝っていた私はそこに魅力を感じたのだ。
そしてボーナスを叩き、いざスピーカーを買う段になって、メーカーそのものが事故をきっかけとして解散した事を知った。
いろいろ調べて、なんとかスピーカーは名古屋のオーディオショップから購入することができたが、もう当時のスピーカーは手に入らないだろう。
私が持っているのはウーハーのL403EX(写真中央)だが、幸運にも予備を含めて4本入手することができた。
一時期は金田式電池駆動DCアンプ6台によるマルチチャネルで楽しんでいたが、最近はさっぱり聞いていない。金田式DCアンプも分解してしまった。
せっかく苦労して手に入れた貴重なメーカーのスピーカーだ。死蔵させる事だけはしたくない。
いつか空気のように軽く、岩のように固いあの低音を復活させたいと思う。
なお、マクソニックブランドは株式会社SRCが引き継ぎ、復活したようである。
L403EXの規格と測定値
当時のカタログに掲載されていた規格は以下の通り。
| 名称 | L403EX |
|---|---|
| 型式 | 38cmコーン砺磁型 |
| 再生周波数帯域 | 25-2,000Hz |
| 最低共振周波数 | 25Hz |
| 最大許容入力 | 150W |
| 出力音圧レベル | 103dB/W/m |
| インピーダンス | 8Ω |
| 磁束密度 | 15,000gauss |
| ボイスコイル直径 | 76mmφ |
| 取付ピッチ/バッフル径 | 380mmφ/360mmφ |
| 外形寸法 | 402mmφ×218mmφ |
| 重量 | 16.3kg |
| 砺磁電圧 | 24VDC |
測定結果

S/N=5265のインピーダンス特性
測定の結果、Qo=0.175、Fo=23.3Hz、mo=56gとなった

自作バスレフボックに入れたインピーダンス特性






