日本画の新たな世界を開いた平山郁夫氏
2009年12月4日(金)
2001年の展覧会のチケット。
平山郁夫氏が亡くなった。79歳だ。まだ早すぎたと思う。
彼の展覧会は2001年に見たきりだが、シルクロードのシリーズはテレビなどで目にする事はあったが、初期の作品や最近の作品は初めてだった。
会場に入り初期の頃の作品を見た印象は、ゴーギャンのタヒチの人達を描いた作品に似ているという事だった。特に家路はその印象が強かった。
その後の仏教画は従来の日本画風に描かれている(それでもかなり斬新であるが)が、招提寺蘆遮那仏は斜め下から仏像を見上げるアングルと、遠近法の組み合わせが新鮮で、伝統的な日本画の範疇を超えた作品と感じた。
シルクロードの作品群は色調や輪郭の描き方など、完全に日本画を超えた作品で、東山魁夷のように、表現の手法として日本画の道具を使っているだけで、ある種の前衛さも感じられた。
描く対象も現代の巨大建造物の因島橋のようなものまで広くあり、間違いなく日本画の地平を広げたと思う。
また画業以外にも世界各地の文化財の保護を先導したり、すばらしい活躍をされてきた。
だぶん回顧展などが開かれると思うが、ぜひ札幌に来てもらいものだ。