2013年3月20日(水)
NHKスペシャル「ロボット革命 人間を超えられるか」を見た。(地デジは21日、BSは17日放送)
福島原発事故では、期待された日本製ロボットは投入時期も遅く、当初はさっぱり成果が上がらなかった。
それどころか、ルンバのiRobot社のパックボットがいち早く原発内に入り、施設以内の画像を撮影した。
要するに、日本のロボット技術はあくまでも研究所レベルで、実用には程遠かったということを証明してしまった。
福島原発事故からもう2年が過ぎている。
今回の番組では、アメリカが実用的ではないとして見向きもしなかったヒューマノイドロボットが、人間が活動するのが当然な原発施設内では有用性が非常に高い事に気づき、急激に開発スピードを上げていることが紹介されている。
確かに、番組で紹介されたアシモは自立型ロボットとしては世界最高峰だろう。
だが、がれきの中では全く走行不可能だろう。まして、今日の札幌のようなざらめ雪状態のザクザク状態ではとてもパックボットにはかなわないと思う。
日本のロボット関連の情報に接するたびに思うのは、今回の福島原発事故のような、国家の対応が世界中から注目されている事態になっても、どうして国として対応できないのかということだ。
走行機能はクインスで、腕はアシモでというような、メーカーや大学の垣根を超えて実用的なロボットをなぜ作れないのか?
国が主導を取り、各メーカー、各大学に国家の緊急事態としてプロジェクトを立ち上げて事を進めることがなぜできないのか理解に苦しむ。
かつて半導体産業を、産学一体となって開発を推し進めたことがあったはずだ。
今の福島原発の状態を見ると、今まさにそれが必要なはずだ。
アメリカの軍用ロボットの現状を見ると、大学、メーカ単体での取り組みには限界が見えている。
日本人はあまりにも完璧を求めすぎている。完璧なものの完成を待つ間には長い年月がかかる。そもそも、完璧はありえないだろう。まずは今の福島原発の状況を一歩でも先に進めるために国としてなりふり構わず突き進むことが必要と思う。
この番組のナレーションは綾波レイの林原めぐみだ。
メーカー単独、大学単独では成果が出るのが遅すぎる。
震災直後、関東の電力不足を補うために、ヤシマ作戦とも言われた節電運動が起きた。
ナレーションをしていた林原めぐみは今の日本のロボット技術の現状をどう思っているのだろうか。興味があるところだ。
番組の最後に紹介されていた川田工業のNEXTAGEが実に頼もしく見えた。製造ラインでのロボットと人間の関わりはもうここまで来ているのかと感じた。
もう人間にははクリエイティブな仕事しか残されていないのかもしれない。
ヒトと一緒にラジオ体操する姿を見ると、確かに暖機運転にはいいかもしれないと思った。
トラックバック数:0、コメント数:0
このエントリーにコメント、トラックバックをする