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天洋食品解散か

2008年4月14日(月)
メタミドホスが混入した冷凍餃子を製造した天洋食品が、生産加工部門の全員300人を解雇したと11日明らかになった。
天洋食品は2007年度の生産が全量日本向け輸出品であるので、従業員の解雇は会社解散への準備と思われる。
生産加工部門の全員解雇は今後の捜査の大きな支障となり、このままではおそらく今回の事件の原因は判らずじまいとなってしまう気がする。
一つの事件の解決が困難になったという事以上に、日本、中国の捜査当局にとってもこれは大きな痛手となるであろう。

かえって相互不信を残しただけか

今回の事件をちょっと振り返ってみると、当初は胡錦濤主席が来日する前までの解決を狙い、早い段階からの日中捜査協力が始まったはずである。
しかし、当初は中国側も「中日友好の発展を望まない少数の極端分子(過激派)がやったのかもしれない」などと発言していたが、メタミドホスの分析でどうやら中国での混入が濃厚になってきたあたりからその発言内容が変化し、中国国内での混入は考えられないと言うまでに変わってしまった。
この経緯を見ると捜査協力というより、対立捜査と行ってよいほど双方のコミュニケーションがうまくいってないように見える。
特にメタミドホスがパッケージの外側から浸透とする件について、日本側と中国側の主張が全く正反対であり、こんな事は双方立ち会いのもとそれぞれの条件で試験を行えば一目瞭然であるはずなのに、それすらも行えないような状況になってしまった。
これでは最初に中国側が指摘した「中日友好の発展を望まない少数の極端分子」の思うつぼではないか。
お互いメンツというものがあるだろうが、これでは事件の真相を明らかにできないばかりでなく、相互不信という埋めがたい溝だけが残ってしまったようである。

事件のもたらしたもの

今回の事件の影響の大きさは、天洋食品が製造した餃子という一メーカーの食品にとどまらず、他の中国産の食品に対する信頼を一気に低下させてしまった事にある。
その事の影響は確実に我々の生活に現れている。今となっては中国産のニンニクを見つけるのは至難の業だ。
天洋食品のような日本向け商品だけを製造している現地のメーカーや、そこから輸入して日本国内で販売しているメーカーなども、いったん問題が起きたときに一気に規制が厳しくなり、流通がストップしたりすると体力の無い会社はつぶれてしまうだろうし、安定供給も見込めなくなる。
せっかく厳しい安全対策を施した工場が無駄になり、現地の社員は職を失った。
安全な国内食材に切り替えるといっても、食料自給率などもそう簡単にあげる事などできないし、今のような高齢者に頼っている生産現場では現状維持が精一杯であろうから、我々には品不足と物価高が残ってしまった。
結局のところ今回の事件がもたらしたものは、日中双方にとって何も得るところが無く、不信感のみを植え付けてしまったのではないだろうか。

今となっては事件の原因究明はほとんど不可能と思うが、もう一度日中双方の捜査当局の相互協力を期待したい。

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